星々の生まれるところ/マイケル カニンガム  ¥3,150 


11月に読んだ本、第4弾です。

本のレビューは、出来れば読んですぐ書くのが一番いいとは思ってますが

こうして半年も前のレビューを書くのも

案外悪くないです(笑)

思い出すことで、2度楽しいし、

時間が経っていることで、その本が本当に面白かったかどうか

よくわかるような気がします。


それにしても9~11月は、

我ながらよく読書してるな~と改めて思いました。

そして結構どれもいい本ばかり。

2006年のベスト1は「ゆれる」と「私を離さないで」、と以前書きましたが

そのベスト1に「星々の生まれるところ」も加えたいと思います。


マイケル・カニンガムといえば、「めぐりあう時間」。

アカデミー賞を受賞した映画も、見ました。

とっても素晴らしい映画でしたが、本はそれ以上に素晴らしい小説でした。

「めぐりあう時間」は小説家ヴァージニア・ウルフを題材にしていましたが

「星々の生まれるところ」は、詩人ホイットマンを題材に、

過去・現在・未来、3つの時代のアメリカを描いた、壮大な物語です。


ここではないどこか、へ連れていってほしい。

ここ(現実)と似ているどこかではなく、ここから遠く離れたどこか別の世界へ。

本を読むとき、

そういう気持ちが、私の中に強くあります。

最近は、日本人作家の小説ばかり読んでいるせいで

なかなかその気持ちが満たされることがありませんでしたが、

久しぶりに、

ずっと遠くの世界へ旅立つことができました。


ただその遠くの世界は、ちょっと悲しくて苦しくて辛かったかも。

個人的には、前作の「めぐりあう時間」の方が良かったです。

美しい世界へ行けたので。