実は、K大学図書館で働きながらも

ずっとあちこちの求人情報を見て回っていました。

K大学図書館での仕事に不満があったわけでは、決してありません。

とてもいい条件でしたし、仕事も面白かったし、

何よりも職場の雰囲気が好きでした。


しかし、ずっと引っかかっていたものがありました。

それは夏期休暇と春季休暇の間、

およそ5ヶ月間も仕事が休みになってしまうことと

仕事を終えて、息子を迎えに行って帰宅すると7時を過ぎてしまうこと。

もちろん了承して働き始めたつもり・・・でした。

でも出来れば、

一年を通して働きたいな、

もう少し早く家に帰りたいな、という気持ちがいつもあったように思います。


そしてもう一つ、

美術に関する資料を扱うところで、いつか働いてみたいな・・・という気持ちがありました。

以前(と言っても、もう7年も前のことになりますが)、

美術館で学芸員をしていたので、その知識を生かして司書をしたい、

これが私の夢です。

ただ、アートライブラリーの仕事はそもそも求人が少ない上に

土日祝日の出勤が条件となっているため、現状では働くことができないわけですが

それでも「いつか」という言葉つきで

その気持ちをずっとひそかに暖めていました。


そんなわけで、

なんとなくあちこちの求人情報を見て回っていました。

でも、いいところがあったら応募しよう!というような気持ちはありませんでした。

引っかかることは確かにありましたが

労働条件にも、仕事、職場にも満足していました。


しかし、2月半ばにあるサイトで気になる求人を見つけました。

美術館の非常勤職員の求人でした。

しかも勤務形態は平日のみ、週30時間。

勤務地も最寄の駅から25分。


求人を見た瞬間に「応募したいな~」と思いました。

でもなかなか決心はつきませんでした。

家族(夫、両親)に相談すると、皆が皆、私の背中を押してくれました。

そして私は押されるままに、履歴書を送付しました。


応募締切から2日後に

書類審査通過の電話がかかってきました。

本当にビックリしました。

正直なところ、書類審査に通らないだろう・・・と思っていたので。

逆に言うと、

書類審査に通れば道が開けるかも・・・と。

そして電話から一週間後、淡い期待を胸に面接試験を受けました。


面接官は3名、所要時間はおよそ40分間。

志望動機、学芸員としての経歴、

そして学芸員から司書へと転向した動機などを聞かれました。

年齢のこと、既婚のこと、子どもの有無については

一切触れられることはありませんでした。

手応えはありませんでしたが、

「これで不採用なら己の力不足、と納得できる」と思いました。


そして数日後に、採用通知が届きました。



というわけで、新しい職場はこちら。

(今後はN美術館と呼びます。また呼んでください。

 検索エンジンで引っかかると困るので、名称は伏せさせてください)



museum


今年都内にオープンしたばかりの美術館です。

4月からここで

美術資料の収集、整理、保存、調査業務の補助をすることになりました。


一つだけ残念だな・・・と思うことは

司書でも図書館員でもなくなってしまうことです。

仕事場もライブラリーではありません。

でも肩書きや仕事場は、さほど重要ではありません。

大切なことは、そこで自分が何をするか、

そして自分に何ができるか、ということ。


司書と学芸員、両方の資格と経験を生かして

精一杯、お仕事したいと思います。